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新すみれ通信 LETTER

すみれ通信2022年9月号

災害時、口腔ケアで命を守る

 

9月1日は防災の日。関東大震災があった日ですね。日本では、地震や水害、台風など、いつどこで誰が災害にあってもおかしくありません。災害発生時、電気やガス、水道をはじめとしたライフラインが止まってしまった場合に備えて、水や食料、カセットコンロなどを備えていらっしゃる方は多いと思います。ですが、歯ブラシや液体歯磨きなど、オーラルグッズはきちんと揃えていますか?

 

★「お口」は感染症の入り口!?

災害時、多くの人が同じ空間に集まって生活する避難所では、飛沫感染や空気感染による、感染症の拡大リスクが高まります。阪神淡路大震災では多くの震災関連死の原因が肺炎でした。災害から避難することができても、避難所などで歯みがきや入れ歯の清掃などの口腔ケアが十分にできない場合、口腔衛生状態の悪化から身体全体に悪影響が及ぶ場合があります。

特に危険な病気が「誤嚥性肺炎」です。これは、誤って飲み込んだ飲食物や唾液が気管に入ってしまったときに(誤嚥)、口の中で繁殖した細菌が一緒に肺に入ってしまい、発症する肺炎です。高齢者は眠っているときにも唾液が気管のなかに流れ込むことが多く、避難生活の中でもオーラルケアを続ける必要があります。口腔内を清潔に保つことで、虫歯や歯周病だけでなく、誤嚥性肺炎も予防できるのです。

 

★準備リスト

避難の際に、バックに入れたかどうか確認しましょう。

□ 入れ歯:慌てて忘れてしまい、避難所で食事が出来ず、低栄養になって衰弱するケースが多いので必ず確認しましょう。

□ 歯ブラシ・デンタルフロス:必ず新しいものを数本、防災バッグに入れておきましょう。

□ 歯磨き粉・ペースト:認知症の高齢者は味が変わると受付けないことがあるので、いつも使用しているのと同じ物がお勧めです。

□ マウスウォッシュ・液体歯磨き:「リステリンやモンダミン(歯科専売モンダミンHABITPROはより効果的。当院でも使用中)など、殺菌剤の入ったもので、希釈せずに使用できるものは、水が使えなくてもうがいをするだけで、お口を清潔に保てます。

□ 入れ歯ケース・洗浄剤:入れ歯を使用している人は、防災バックに入れておきましょう。

□ 口腔用や入れ歯用の洗浄シート:水がないときに便利です。

 

★日頃からのケアが大切です

災害時は、突然歯のトラブルが起きても、すぐには治療ができません。日頃から歯科医院で定期検診やクリーニングを受け、口腔内の細菌を増やさないように心がけましょう。また、虫歯や歯周病などの歯の治療をきちんと済ませておきましょう。