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新すみれ通信 LETTER

すみれ通信2024年7月号

歯が溶けていく!? 酸蝕歯とは?

★酸蝕歯とは?

歯周病、虫歯に次ぐ第3の疾患として酸蝕症が注目を集めています。
小さい頃「コーラを飲むと歯が溶ける」と言われた経験はありませんか?実は本当です!私たちの歯は、食べ物や飲み物に含まれる酸に長時間触れ続けると、簡単に溶けだしてしまうのです。
歯を覆っているエナメル質は、体のなかで最も硬い組織ですが、強い酸に触れると化学反応を起こして分解し、溶けだします。エナメル質が溶けると、その下にある象牙質がむき出しになります。象牙質は柔らかいので、摩擦でどんどん磨り減って行きます。また着色もしやすくなります。こうした状態を放置していると、虫歯になりやすく、冷たいものが滲みる知覚過敏などの歯のトラブルを引き起こしやすくなるのです。現在このような酸蝕歯の罹患率は国民のおよそ4人に1人もいると言われています。

 

★酸蝕歯は夏こそ気をつけよう

歯のエナメル質は、ph5.5以下で溶け始めます。左の表は、普段よく口にする飲み物のpHの数値です。ミネラルウォーターのpH7が中性です。通常は唾液の自浄作用が働いているため、PH値の低い飲み物を飲んでも、すぐにはむし歯にはなりません。唾液には、歯の汚れを洗い流す働きと、酸を中和する働き、そして溶けた歯の再石灰化を促進する働きがあるからです。
しかし、長い時間をかけてだらだら甘い飲み物を飲み続けると、お口の中が酸性環境に長くさらされ唾液による再石灰化の時間が短くなって、酸蝕歯になるリスクが高くなります。さらに乳歯の臨界pHは5.7~6.2であり、永久歯よりも酸に弱く、溶けやすいのです。
夏は、スポーツ後の水分補給にスポーツドリンクを飲む機会が多くなります。また、健康意識の高い人で「ビタミンドリンク」や「酢ドリンク」を日々愛飲している方も要注意です。
水分補給はなるべく水かお茶で。ジュースやスポーツドリンクを飲むときは短時間で飲み切って、飲み終わったらすぐに水で口をゆすぎましょう。